枝肉の懸吊の必要性
肉に残るエネルギーで収縮が起こる
筋肉の基本である筋節は生体で約1.6 ~ 2.6μm の範囲で収縮弛緩し、収縮すると硬くなることが知られています。正常肉ではエネルギーを蓄えているので死後硬直前に筋肉を骨から外すと、このエネルギーで筋収縮が起こります。このような肉は加熱調理により硬くなります。
枝肉のまま懸吊し冷蔵保管を
捕獲や止め刺しストレスを与えない環境、例えば狙撃により得られた動物の筋肉ではエネルギーを十分蓄えています。このような筋肉を死後硬直前に骨から外すと筋肉の収縮が起こり(顕微鏡写真参考)、肉が硬くなります。従って、はく皮後は少なくとも1日以上懸吊(個体の体重が大きいほど時間を要します)した後で、部分肉に分割することが重要です。
(写真撮影・情報提供:渡邊彰)